2019/02/13 17:02
こんにちは、清水の朝倉農園です。
先日は、興津にある果樹研究所(農研機構)で一般公開がありました。
海岸沿いで開催される寒桜祭りのときに公開されることもあり、多くの人が足を運んでました。
最近話題になったβクリプトキサンチンの有効性とか、温州みかんの親が紀州ミカンとクネンボだったとか、ここで研究された成果がパネル展示され、わかりやすく解説してくれます。
海外からの旅行客も多いこの頃、温州みかんの英語表記はどうしたらよいか伺ったところ、satuma、mandarinとも言われていますが学名ではCitrus unshiuで、マンダリンとは別物なので学名を使った方がよいとのこと。
他にも、ありったけの柑橘類が展示され、手にとって見たり香りを嗅いだり、柑橘専門の先生に栽培などについて直接質問できる相談会があったり、新種のみかんの試食も大人気です。
今回は特に、果樹栽培に与える温暖化の影響といった公演に人が集まり、聞き入っていました。
日本の平均気温の上昇は、世界の平均値(約0.74度ほど;2005年)より高い1.15度とのことで、特に秋と冬が上昇しているそうです。そして、年間降水量はほぼ変わらないものの、台風などが大型化して、ピンポイントで降水量が増加しているとのこと、身にしみて感じる現象はデータでも裏付けられているようです。
この温暖化の影響を感じるかどうか47都道府県で10年以上も前に調べたところ、果樹栽培について言えば100%(全県で)影響を感じているとのこと、農水省の調査(2007年)でも同様な結果だったようです。
気温の上昇に合わせて栽培する果実の種類を換えるということはそう容易ではありません。
苗木を植えてから4年前後は結実を控える果樹が多ので、日本で美味しく食べられていた果物が、10年後、20年後に生育不良で美味しくない、生育不良を回避するために薬品を使わなければならないとなれば、消費者へ届ける果物の安全性は人々ひとりひとりに因るものとなります。
そして、今までいなかった害虫が繁殖して果樹が不作、固有の木が絶滅することもあるかもしれません。
害虫被害を防ぐために、薬品を過剰に散布することになったらますます自然のバランスは崩れてしまいます。
20年後にはこの清水ではみかん栽培はされていないかもしれません。。。
農家の死活問題というのもありますが、これから育っていく子供たちのためにも、今生きている命のためにも、「できること」を意識して行かないとと思うのでした。